子供の発熱(熱だけの症状・熱で泣き止まないなど)

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子供の発熱

子供の発熱子供は大人より体温が高いのが普通で、37.4度以下であればほとんど心配ありません。
普段から体温を計測しておき、急に高くなったとき発熱以外に症状が見られるときには、お気軽にご相談ください。

子供が熱を出す原因は?

発熱は、身体に侵入した病原体によって引き起こされる生理的な反応です。毒素によって発熱物質が産生され、体温が上昇するのです。同時に、白血球やリンパ球が病原体を排除し、身体を病気から守ります。
こういった現象をまとめて「免疫」と呼びます。つまり発熱は、身体が病原体と戦っているときのサインの1つと言えるでしょう。

考えられる発熱の主な病気は?

発熱は、さまざまな病気が原因となって起こる、とても身近な症状です。
発熱の程度、その他に現れる症状によって、以下のような病気が考えられます。

風邪

発熱の他、鼻水・鼻詰まり、喉の痛み、咳、頭痛、腹痛・下痢などの症状を伴います。

突発性発疹

突然の高熱が特徴です。3日ほど発熱が続き、その後赤い発疹が現れます。乳幼児に起こりやすい病気です。
高熱が続くことで、熱性けいれんを引き起こすリスクもあります。

麻疹(はしか)

発熱の他、鼻水、咳、目やになどの症状を伴います。一度熱が下がり、今度は高熱が出て、発疹が現れます。
中耳炎、肺炎、脳炎などの合併症のリスクがあります。

溶連菌感染症

発熱の他、喉の痛みを伴います。喉の白い発疹、舌の赤い発疹も見られます。
溶連菌の感染によって起こる病気です。

アデノウイルス

高熱の他、喉の腫れ、結膜炎、頭痛、吐き気、下痢などの症状を伴います。
プール熱の原因となるウイルスです。

ヘルパンギーナ

発熱の他、喉の痛み・発疹を伴います。喉の痛みはひどく、食べ物が喉を通らないこともあります。
エンテロウイルスやコクサッキーウイルスを原因とします。

水ぼうそう

発熱の他、発疹(水ぶくれ)などの症状を伴います。重症化し高熱が数日間続くこともありますが、軽症の場合には発熱がないこともあります。

プール熱

発熱の他、発疹、目の充血、目やになどの症状を伴います。
重症化すると、髄膜炎の合併リスクが高まります。
アデノウイルスを原因として起こります。

肺炎

高熱の他、咳、食欲不振などの症状を伴います。
入院が必要になることもあります。

インフルエンザ

突然の高熱の他、頭痛、関節・筋肉痛、全身の倦怠感、咳、鼻水、喉の痛みなどの症状を伴います。
重症化すると、脳炎や肺炎といった合併症のリスクも高まります。

感染症以外で原因不明の熱が続く場合

感染症以外で原因不明の発熱が続く場合には、川崎病が疑われます。年間で1万人以上の子供がかかる、主に乳幼児期に見られる病気です。発熱の他、目の充血、発疹、唇の赤みなどの症状を伴います。手足や首のリンパ節の腫れが見られることもあります。全身の血管で炎症が起こり、冠動脈留を起こすと、長期にわたる内服治療が必要になったり、運動に制限が生じることがあります。
その他、熱中症、リウマチ、白血病など、ときに命にかかわる病気が発熱症状を起こしていることもあります。

小児科専門医が教える熱が出た場合に
家でできるオススメ対処法

お子様が急に熱を出してから受診するまで、あるいは受診した後にご自宅で療養するとき、適切な対処を行うことでお子様の心身を楽にさせてあげることができます。 回復を早めることにもなりますので、できるだけ気をつけてあげてください。

水分補給

水分補給発熱したときは、呼吸が荒くなり、汗もたくさん出ます。季節に関わらず、水分・塩分不足によって脱水症状を起こすことがありますので、水分補給には十分に気を配ってあげてください。
重要なのは、小まめに水分を与えることです。喉が渇いて水を欲しがる前にあげるようにしましょう。近年は、水よりも効率的に水分・塩分を補給できる「経口補水液」が市販されていますが、ご自宅でも簡単に作ることができます。

経口補水液の作り方手順

  1. 湯冷まし1リットルに【食塩3グラム】【砂糖40グラム】を加えます。
  2. よくかき混ぜます。
  3. 飲みやすい常温近くになるまで冷まします。

※お好みで、レモンの絞り汁などの果汁を入れます。

 

安静

できるだけ布団の中で横になっているようにしましょう。無理に眠らせる必要はありませんが、運動をしたりゲームをしたりといったことは避けてください。
室温や寝床を必要以上に温める必要はありません。お子様が過ごしやすいと感じる温度に調整してあげてください。

食事

お腹を下しているのでなければ、基本的に何を食べても構いません。ただし、食べ過ぎるとより多くのエネルギーが消化に使われてしまいます。栄養を摂らなくちゃ、とたくさん食べる必要はありません。胃腸への負担の少ない食品を食べさせてください。食欲がないときは、ゼリーやプリンでも構いません。

体温調節

パジャマや布団の枚数を調整し、寒くない程度に身体を温めてあげてください。暑いと感じるほど温める必要はありません。パジャマは、綿素材のものがよく汗を吸ってくれます。
また、たくさん汗をかいたときは拭いてあげるか着替えさせるかします。冷却シートや氷まくらは、お子様が気持ちいいと感じるようであれば使用します。

意外に知られていない!熱性けいれん(ひきつけ)

お子様が突然けいれんを起こしたら、お母様もお父様も驚くことと思います。 中でもよく見られるのが、熱性けいれんです。1~5歳くらいのお子様の10人に1人が経験する、比較的身近なけいれんです。

熱性けいれん(ひきつけ)とは

熱性けいれん(ひきつけ)とは熱性けいれんとは、急激に熱が上昇するとき、脳の機能が未発達なために細胞が一時的に興奮状態に陥って起こるけいれんです。
多くは5分以内に治まり、後遺症が残ったりすることはありません。再発する場合もありますが、年齢を重ねるとともに起こりにくくなります。
症状には、主に以下のようなものが見られます。

  • 意識を失う
  • 手足を突っ張る
  • 身体を震わせる
  • 白目をむく
  • 唇や顔の色が悪くなる

熱性けいれん(ひきつけ)の対処法

お母さん、お父さんは、とにかく焦らず慌てないこと!!
けいれんにはいくつかの種類がありますが、いずれもその場で命を落とすようなことはありません。服のボタンを外すなどして、少しでも楽に呼吸ができるようにしてください。舌を噛まないようにと、口の中に棒やタオルを入れるのは厳禁です。
吐き気を感じたら、身体を横に向けてあげることで、吐しゃ物が喉に詰まる事態を防げます。けいれんが始まった時刻・終わった時刻を確認し、症状がどれくらい続いたかを把握できるようにしてください。熱性けいれんであれば、5分以内に治まります。その後必ず、かかりつけ医を受診するようにしましょう。
ただし、5分以上けいれんが続いた場合には、すぐに救急車を呼んでください。

熱性けいれん(ひきつけ)は何歳まで続く?

熱性けいれんは、脳の機能が成熟していくとともに起こりにくくなり、通常は6歳頃までには完全に治まります。
それ以降も続く場合には、他の病気も疑われます。かかりつけ医に相談し、専門の医療機関を紹介してもらいましょう。

熱性けいれん(ひきつけ)の予防

これまでに熱性けいれんを2回以上経験した5歳頃までのお子様を対象とした、発熱時のジアゼパム座剤投与による予防法があります。
37・5℃以上の発熱を起こしたときに、ジアゼパム座剤の投与(肛門からの挿入)を行います。その後8時間が経過してから、同じくジアゼパム座剤の投与を行います。これにより、約36時間のけいれん予防が可能です。

子供の発熱Q&A

熱が出たら、すぐ解熱剤を飲ますべきですか?

基本的には熱がでたからといって、すぐに解熱剤を与える必要はありません。熱は、お子さんが病気と鬪っている証拠でもありますし、必ずしも悪い状態ではないからです。また解熱剤は一時的に熱を下げる作用を有しますが、病気を治すものではありません。
しかし高熱で辛そうにしている時は、解熱剤を使って一時的に熱を下げると体は楽になります。ですので、お子さんの状態をみて、解熱剤の使用を検討して下さい。

熱が出た場合の小児科を受診するタイミング・ポイントを教えてください。

熱が出た場合の小児科を受診するタイミング・ポイントを教えてください。

発熱時にすぐに受診した方が良いのは、下記の場合です。

  1. 生後3か月未満の38度以上の熱。
  2. 発熱とともにけいれんが5分以上続く。
  3. 肩で息をするなど、呼吸が苦しそう。
  4. 目や表情に活気がなくぐったりしている
  5. 発熱とともに嘔吐や下痢を繰り返している
  6. 尿の回数や量が極端に少ない
  7. 急激な発熱と異常行動(ないものが見える、おかしな言動)がある。

などの時は、夜間でもすぐに救急病院を受診することが必要です。

赤ちゃんが熱で泣き止まない対処法があれば、オススメの対処法があれば教えてください。

熱がこもらないようにまず薄着にしましょう。お部屋も暑すぎるのは良くありません。またすぐに解熱剤を与えるのではなく、まずは氷嚢、水枕などでクーリング(冷やす)をしましょう。
ママやパパの優しい声かけとともに、汗をこまめにふいてあげて、水分を補給してあげることも赤ちゃんが安心するのでお勧めです。

高熱が出たときに手足が震えるのは「けいれん」なのでしょうか?

高熱が出たときに手足が震えるのは「けいれん」の可能性もありますが、多くは「悪寒戦慄」というものです。悪寒戦慄では、熱が上がり始めるときに、体温を上げようとブルブルと震え、手足は冷たくなってしまいます。このような症状が認められる場合はタオルケットなどをかけて、身体を温めてあげましょう。

お昼間に38度の熱が上がって翌朝下がっていたら保育園に行ってもいいのでしょうか?

お昼間に38度の熱が上がって翌朝下がっていたら保育園に行ってもいいのでしょうか?

翌朝に解熱していても、通園させることはあまりお勧めできません。何故なら、子供の熱は、夜に上がって朝には解熱することが多いからです。
ですから、翌朝に解熱しても、またその日の夜に高熱をだすことはよくあります。

熱だけの症状で他に症状はないのですが様子を見た方がいいのでしょうか?

お子さんが発熱したからといって、あわてて受診する必要はありません。お子さんが元気であれば、十分にケアを行って頂き、自宅で様子をみていただいても構いません。
活気がない、水分が取れないなどの症状があれば医療機関を受診しましょう。

家族内で父親がインフルエンザになったのですが、子どもも高熱が出てインフルエンザかもしれない場合、事前にクリニックにお伝えした方がいいでしょうか?

同居しているご家族の方がインフルエンザに罹患している場合、事前にクリニックにお伝え下さい。インフルエンザは感染力が強いため、お子さんが高熱を出した場合、ご家族のインフルエンザをもらった可能性が高いです。しかし、インフルエンザ検査を希望される場合は、クリニックによってはすぐに行ってもらえない場合があります。そのこともあり、事前にクリニックに伝えることお勧めします。

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