乾いた咳が続く(熱はない場合)の自宅で出来る対処法とクリニックで行う治療法

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乾いた咳が続くのに熱はないということはありませんか?

原因

乳幼児の咳が長引きやすい要因として、

  1. 解剖学的に気道が狭い
  2. 気道内分泌が多い
  3. 胸郭や横隔膜による呼吸運動が小さいので、喀痰が排出しづらい
  4. 免疫学的にも未熟なので感染症が起こりやすく、咳が長引く

などの原因があります。

乳幼児の咳が長引きやすい要因

小児の咳の原因のほとんどはウイルス感染ですが、年齢ごとに長期化する咳の原因疾患は様々です。

1.全年齢を通じて頻度の高い疾患は

  1. 喘息
  2. 鼻疾患(アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎)
  3. その他、百日咳やマイコプラズマ・肺炎クラミジアなど。マイコプラズマは冬期、百日咳や肺炎クラミジアは春~夏(5月の連休中)に比較的多いとされています。
  4. 受動喫煙
  5. 副鼻腔気管支症候群: 後鼻漏が刺激となって咳・痰症状が持続します。副鼻腔炎で鼻腔内に貯留した細菌性の粘液が仰臥位(とくに睡眠時)に咽頭に流れ落ち、気管を刺激して咳が誘発されます。 
  6. 咳喘息:気道炎症により、気道の過敏性が亢進して起きる状態。喘息の前段階であり、隠れ喘息とも言われています。

2.新生児期、乳児期の特有の原因疾患は

  1. 気道の形態異常
  2. 胃食道逆流

など

3.幼児期では

  1. 免疫能が低い
  2. 新しく保育園や幼稚園に通う機会が増えて気道感染巣を繰り返す機会が多くなる

などの理由から、反復し長引く咳が認められる事が多いです。

4.学童期以降では

心因性咳嗽の頻度が増加します。この場合、何かに集中している時や睡眠時には消失することが診断の決め手になることがあります。

 

小児科にかかるべき症状

小児科にかかるべき症状基本的には、熱がなくて日常生活に問題がなければ、あわてる必要はないと思います。
しかし、長引く咳は原因疾患によらず、本人や保護者のQOLを著しく低下させるため、早期の適切な治療が望まれます。

早めに小児科にかかる症状としては、

  • 夜間の眠れない時
  • 夜間眠れず、授業に集中できない時
  • 高熱が3日以上続くとき
  • 喘鳴(ゼーゼー)が聞こえる時
  • 高度の肥満があり、夜間に咳が続く時 → 内臓脂肪により腹圧の上昇をきたし、食道胃逆流を誘発します。

などです。
薬あるいは吸入で症状を緩和させることができるので、早めの受診が良いでしょう。

乾いた咳が続いている場合の対処法について

クリニックで行う対処法・治療法・治し方

クリニックで行う対処法・治療法原因のほとんどはウイルス感染なので、症状に対する治療(対症療法)を行うことが多いです。細菌感染を疑う場合は、適切な抗生剤の選択投与を行います。
疾患によっては、抗生剤の長期投与が有効なことがあります。

肥満児における夜間の咳の悪化のある場合には、制酸薬により症状が軽快することがあります。

小児科専門医がおすすめする自宅で出来る対処法

万が一、就寝時・夜中に咳が止まらない場合は?
  1. まずは、咳の状態を観察してください。(診察の際に聞かれることが多いです)
    ・いつ咳がでるのか? → 明け方・夜? 何かに集中している時や睡眠中に消失しないか? 哺乳直後か?
    ・咳の程度はどれぐらいなのか? → 夜、おきてしまう、1回ではじめると止まらないなど
    ・顔色は悪くないか? 
    ・喘鳴は聞こえるか? など。
  2. 夜間の咳混みがつらい時は、上体を軽く起こした体位をとらせる
  3. 受動喫煙で咳が長引く場合があるので、親御さんのタバコは控えましょう
  4. 入浴、加湿器で湿度を保つ
  5. 少量の水をこまめに飲ませてあげる
  6. 頭部を挙上させてほ乳する
  7. 手洗い、うがいの習慣をつける:集団保育で呼吸器感染症を繰り返し、咳が長引いている場合があるので。

季節の変わり目の咳について

  1. 特に喘息の方は、季節の変わり目に症状が悪化してしまうことがあり、乾いた咳から始まることがほとんどです。
    鼻水から咳につながる場合もあります。咳が日々悪化し、夜咳でなかなか寝付けなかったり、何度も起きてしまったり、朝方にすごい咳とともに起きてしまう。夜に咳き込んで吐くこともよくあります。
  2. 花粉症の咳は、鼻閉に伴う口呼吸による加湿不足、後鼻漏による花粉の吸入によるアレルギー反応の亢進等、様々な機序が関わっています。
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